今回はオーバーラップして来る相手に対してどのように守備をすれば良いか、という戦術の内容を行います。
このブログでは、攻撃においての数的優位をいかそうという内容が多かったですが、裏を返すと数的優位を作ろうとする相手に対しての守備の仕方も重要です。
オーバーラップする相手に対してのどのような守備で対応するかを解説していきます。
オーバーラップとは
オーバーラップとは、攻撃者がボールホルダーを越えるような動きをして数的優位を作ることです。
わかりやすい例で言うと、サイドハーフの選手をサイドバックが追い越していく形が、試合ではよく起こります。
ボールホルダーを追い越していくことにより、相手守備者と2対1の形を作り優位な状況を作ります。
守備者は、相手ドリブルを警戒するのか、上がってきた選手を警戒するのか難しい判断を迫られます。
ボールホルダーは相手守備者を見て、ドリブルで切り込むのか、オーバーラップしてきた味方を使うのか選択肢が増えます。
オーバーラップの守備
それでは、守備側から考えるとこの数的不利の状況をどのようにして対応したら良いでしょうか。
1番危険なことは、ボールホルダーとオーバラップして来る相手、どちらがパワーを持っているかということになります。
オーバーラップして来る選手はスピードを持って攻撃参加して来るため、パワーを持っています。
故に、オーバーラップして来る選手に対して最大限のケアをする必要があります。
数的不利の状況から最低でも数的同数の状況に持っていくために、味方と連携する必要があります。
数的不利から数的同数へ
- ボールホルダーへ寄せる
- オーバラップして来る選手がいたら、そちらを警戒する(ついていく)
- それと同時に味方のサポートはボールホルダーに寄せる
一瞬ですが、マークが入れ替わります。
この一瞬が遅れると命取りになりますが、うまく対応できると逆に上がっている選手の背後を突くことができてチャンスが訪れます。
以下の映像で確認したいと思います。
ピンク(セレッソ大阪)の右サイドバックの選手が、青(川崎フロンターレ)左ウイングの選手に対して寄せようとします。
ですが、オーバラップして来る選手がいたため、ピンク右サイドバックの選手はオーバーラップして来る相手を警戒して、バックステップで対応します。
それと同時に、ピンク(右サイドハーフorボランチ)の選手が、青ボールホルダーへと寄せます。
一瞬マークが入れ替わる瞬間のプレイです。
若干入れ替わるのが遅れたことと、右足でシュートを打たせてしまうような寄せ方になってしまったためうまくはずされてシュートまでいかれてしまいますが、ギリギリゴールを守る対応となりました。
セカンドDFの位置が先ほどと若干違いますが、対応が一瞬遅れてしまい失点してしまいました。
スピードを持ってオーバーラップして来る選手に対してケアしきれず、クロスをあげられてしまいました。
20番(槙野選手?)のジェスチャーからすると、最初にボールホルダーへ対応した17番(長谷部選手)がオーバーラップして来る選手に対応するような仕草をしています。
長谷部選手がオーバーラップして来る選手に対応する、槙野選手がボールホルダーへ対応するような形でマークが入れ替わるようなイメージだったのではないかと推測されます。
この状況の対応で非常に難しいのは、
- ボールを持っている選手を一瞬空けてしまうこと
- 長谷部選手からすると後ろから来ている槙野選手のアクションが見えないこと
上記2点によりこの攻撃を阻止するのは、難易度がかなり高く、難しい局面であったことに間違いはありません。
逆にいうと、一瞬の相手の隙を突きゴールまでもぎ取るブラジルの選手のしたたかさは流石の領域です。
お見事としか言いようがないですね。
しかし日本が世界に追いつくためには、このような一瞬の隙を突かせない、一瞬の隙を突く、日常の攻防が必要ですね。
1試合を通してサッカーを見ると、随所に数的優位をどう活かすか、どのように創り出すか。
数的不利をいかに隠すか、作らせないかの攻防が各所であります。
こうした攻防を高いレベルで繰り返すための工夫が、指導者には求められます。
試合の中での数的優位、同数、不利の攻防を分析する。
試合の中で数的優位、同数、不利を活かす(または消す)練習を行う。
あなたのトレーニングの参考になれば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございます。
コメント